トイレや浴室のバリアフリー化と家族の理解について

今回は、トイレや浴室などのバリアフリー化(手すりなどの設置)と家族の理解についての話を書いていきます。

バリアフリー化の意外なデメリットとは?

トイレや浴室をバリアフリー化する!と聞くと、メリットだらけのように聞こえるかもしれませんが、必ずしもメリットだけではありません。

もちろんお金がかかる、みたいな直接的なデメリットもありますが、介護保険の住宅改修制度を利用すれば、20万円までは1割負担でOKですので、そこまでの問題ではありません。

(少なくとも、手すりをつける等程度の改修ならば20万円を超えることはないでしょう)

それよりも、健常者が使いにくくなる場合もある、という問題があるのです。

例えば、私の住んでいる家の場合、元々トイレが狭くて困っていました。浴室もあまり広いとは言えません。

そんなところに無理矢理手すりを設置したものだから、トイレは更に狭くなり、ある意味使いづらくなりました。(和式トイレからウォシュレットトイレになったという意味では使いやすいですが)

浴室に関しても、手すりをつけた場所によってはちょっと使いにくいな、と感じる箇所もあります。

我が家のバリアフリー化に対するイザゴザについて

これに関して敏感に反応したのが、父親でした。

こちらとしては、祖父の足腰が弱くなったので、祖父が使うことを基準にして手すりなどを付けてもらいました。

ケアマネージャーさんや施工業者さんと一緒に、実際に祖父が浴室に入る時の動作などをチェックしながら(実際に入る動作をしてもらって)、ここにこれぐらいの長さの手すりがあるといいですね、みたいなことを決めていって付けたものです。

だから、健常者である父親がやや使いにくくなるのは仕方がないことなのですが…

「こんなところに手すりなんかあっても全く意味がない、邪魔で仕方がない」

「何のために付けたのか分からないような手すりは外せ」

みたいなことを言うのです。

…実は、トイレはともかく、浴室に関しては、「祖父が介助なしでも入浴できるようにするため」に、手すりの配置などを「祖父目線で考えて」設置したのですが…

結局祖父は自力で入浴することを拒み、手すりをつけたものの、入浴介助が必要な状態が続いているのです。

これが父親的には気に入らないのです。

「祖父のためにわざわざお金をかけて手すりを設置して、こっちも使いづらくなったのを我慢しているのに、結局自力で入浴出来ないのなら、邪魔な手すりなんてもう外してしまえ」

と、そう言うのです。

随分横暴な考え方ですが、反論が難しい問題でもあります。

実際、手すりを使うはずの祖父は、未だに入浴介助を必要としているため、その手すりを殆ど使っていないのです。(立ち上がったりする時に使いそうな場所を除く)

とりあえずは、

「将来的には自力で入浴してくれるようになるかもしれないし、その時に手すりがないと困るから」

みたいな微妙に濁した言い方で何とか納得してもらいました。

バリアフリー化以前の大切なこと

という感じで、バリアフリー化は、ぱっと聞くだけだとメリットしか無いように思えるかもしれませんが、健常者にとっては使いにくくなってしまう場合も考えられます。

それが我慢できる範囲なら問題ないでしょうが、思いもよらない所からの不満が噴出する可能性もあります。

バリアフリー化をできるだけ急ぐ必要があるのも確かですが、同時に他の家族への理解なども進める必要があったことを思い知らされる出来事でした。

バリアフリー化=介助からの解放ではない

後は、バリアフリー化したからといって、介助の必要が無くなるわけではない、ということも分かりました。

あ、もちろん楽にはなったみたいですよ。手すりを持ってくれるので。

まあ、いくらバリアフリー化を進めたところで、使うか使わないかは本人の意識や体の具合次第、ということで。

ちょっと難しい問題かもしれませんけどね。