認知症の徘徊と引っ越しの関連性について

今日はちょっと昔話を書きます。

その話は、引っ越しと認知症による徘徊の関連性について、です。

近所に引っ越ししてきた一家について

10年ほど前の話になるのですが、私が住んでいる家の3件隣ぐらいに、50代ぐらいの夫婦と80代ぐらいのお婆さんの1家が引っ越ししてきました。

そして、その80代ぐらいのお婆さんは、私の家の自営業のお店に頻繁に顔をだすようになりました。

その夫婦の話だと、ちょっと認知症っぽい症状があるとのことでしたが、見た目は特に問題無さそうな、ちょっとチャーミングなおばあちゃん、みたいな感じでした。

私の母親は、お店にお客さんがいないときはそのお婆さんと話をしていたそうです。

母親の話だと、確かに同じ話を何度もするようなところはあったけど、別段そこまで認知症っぽい問題はない感じだったそうです。

ただ、その50代ぐらいの夫婦に対する愚痴は多かったみたいですね。

お婆さんの驚きの行動

そんな感じで私の母親とその家族のお婆さんは結構仲良くしていました。ですが、1ヶ月ぐらい後、ちょっとした事件が発生しました。

何とそのお婆さんが、店の営業時間外にも来るようになったのです。

それも真夜中の1時とかにシャッターをガンガン叩いて

「○○さあああん(母親の名前です)、あけて~、あけてよ~」

みたいに叫ぶのです。

1回目は、ほんの数分で音は聞こえなくなったのですが…。

2回目に来たときは、10分ほどはガンガンと叩いていました。(その時も真夜中です)

そんな感じで来られても、コチラとしては開けるのはちょっと問題があるな、ということで母親と話しました。

また、もしも3回目があったら、このことを50代ぐらいの夫婦に言うことにしました。

ですが、3回目はありませんでした。

というのも、家の隣に住んでいる人が、その50代ぐらいの夫婦に、このことを言ってくれたそうです。

「真夜中にそちらのお婆さんが○○さんのお店のシャッターをガンガン叩いて叫んでいた」

と。

その50代ぐらいの夫婦は、そのことを全く知りませんでした。家を抜け出したことすら分からなかったそうです。(本当に知らなかったかどうかは不明ですが)

すぐに菓子折りを持って謝りに来てくれました。後、そのお婆さんは施設に預けることにしたという報告も。

引っ越しと認知症、徘徊のリスク

それでこの話は終わりになるのですが…。

今考えると、これって認知症の状態で引っ越すことで、ストレスが溜まってしまい、私の母親とお店で愚痴ることがストレスのはけ口になっていたと考えることが出来ますね。

そして、少しでも私の母親に会いたい、お店に居たいと思ってしまい、徘徊というか変な時間であるにも関わらずお店に来てしまったのだと考えられます。

ですので、認知症を患っているお年寄りをつれて引っ越しするのは徘徊を誘発してしまうリスクがありそうだな、という話でした。

ほとんど認知症の症状がないうちの祖父でも、入院時に混乱して病院内を徘徊してしまうぐらいですから。

やはり環境が一気に変わると混乱してしまいますし、ストレスも溜まるでしょうからね。