以前、ヤングケアラーの話を少ししました。ヤングケアラーというのは主に18歳未満の若い世代が祖父母等の介護等を行う人のことです。(人によっては、20代も入れる場合もあります)
特に、生きていくために必要なお金を稼ぐために、夫婦共働きだったりすると…自分の親の介護が難しいので、若い孫世代に祖父母の介護を頼む場面も出てくるかもしれません。
現代社会において、そうなってしまうことも、意外と多いでしょう。
では、ヤングケアラーになってしまった場合、学業や就職、結婚などにどういう影響があるのか、考えていこうと思います。
介護が大変な理由は?
まず、介護で何が大変かというと、精神的なストレスと時間が取られてしまうことだと思います。
この2つは、ある意味仕方がないことなのですが、これらの負担を若い世代にさせてしまうと…色々厳しい面が出てくるのは予想できると思います。
あ、介護には体力的な辛さもありますが、これに関しては、若い世代に限っていうのならば、老老介護等の場合よりは幾分ましだと思います。
精神的ストレスや時間の影響は?
では、精神的なストレスと時間が取られることが、どう学業や就職、結婚に関係してくるのか、ですけど…
勉学や、部活、サークル活動等に支障が出る
まず、介護に時間がとられるということは、その他に使える時間が限られてしまう、ということになります。
普通の学生なら余裕で出来る宿題もやる時間がないかもしれませんし、部活動やサークル活動などもなかなかできないでしょう。
このため、勉強不足による成績の低下などを引き起こす危険性があります。
また、宿題などのやるべきことすらする時間がないのに、友達と遊べる時間なんて、本当にないに等しい状態になるかもしれません。
そうなると、介護で溜まったストレスを解消する機会すら無くなってしまいます。このようにストレスが溜まる一方になってしまう危険性も秘めています。
進学や就職の幅が狭くなる
進学や就職の幅も非常に狭くなる危険性があります。
例えば、大学進学にしても、自宅から通える距離の大学にしか行けないでしょう。
近くに行きたい大学があるのなら別ですが、将来の夢をかなえるために行きたかった大学や専門学校が近くにない場合などは、介護のために夢をあきらめる、なんていう選択肢が必要になるかもしれません。
就職も同じで、自宅から通える距離にほぼ限定されてしまうでしょうし、何より理解ある企業に勤める必要が出てきます。
というのも、大学の場合だと、単位の取り方によってある程度時間の融通がききますし、1回や2回なら講義を休んだとしても単位がもらえない、ということは無いでしょう。
ですが、就職するとそういうわけにはいきませんよね?
たいていの場合、朝から晩まで仕事をするのが当たり前、ということになるでしょう。介護のためだからといって、会社を休んだり、早退したり…そういうことに対して理解のある会社ならいいですが、そうじゃない会社が非常に多いと思います。
理由があるとはいえ、休んだり早退を繰り返している人に頼める仕事なんてなかなかないのが現状でしょう。
これらのことから、就職に関しては、進学以上に幅が狭くなると言えるかもしれません。
結婚なんて望める状態にはない
進学や就職ですらかなり限定されるのに、結婚なんて更に茨の道となりかねないでしょう。
まず、ヤングケアラーの介護期間や時間が長くなればなるほど、学業や進学、就職に多大な影響を与えます。(ほとんどが悪い方に影響しますね)
下手をすると、介護を優先させるために職に就けずに無職、なんていう可能性すらあるのです。
そんな経済的基盤がない人と結婚したいと思ってくれる人はなかなかいないのが現状ではないでしょうか?
また、もし結婚してしまうと、相手にも介護の重圧がのしかかってくることもあり得る話ですので、そういう意味でも結婚したいと思える人は少ないでしょう。
そもそも介護を優先させていたら、結婚どころか出会いすらないのが現実でしょうけどね。
介護は子供の未来に多大な影響を及ぼします
もしも、介護が必要な親を持つ人がこのブログを見ているなら…
子供に介護を頼む(つまり子供にとっては祖父母の介護をする)という選択肢を使おうとする場合、今一度、しっかりと考えてみてください。
もし、頼むとしても丸投げするのではなく、仕事から帰ってきたら介護を代わる、等で作業を出来るだけ分担してあげてください。
子供に頼るのではなく、介護サービス等も積極的に取り入れるという選択肢もあります。
とにかく、子供に自分の親の介護を頼むということは、子供の未来を壊しかねない行為だということを自覚してください。
孫世代の介護というのは、仕方ない面はあるかもしれませんが、色々と歪みが生じる可能性が高いです。